春の肌はとても敏感になりがち。今まで大丈夫だったのに、温かくなってくるとニキビがプツプツとできはじめる方は多いと思います。
冬場の肌は、乾燥してバリア機能が低下した状態です。春になり、気温が上がるとともに花粉が舞うようになり肌に付着することに加え、マスクによる摩擦や蒸れにより肌のダメージが出やすいんです。
今回は大人ニキビが悪化するの原因と、改善方法をお伝えします。
<大人ニキビが悪化する原因>
大人ニキビの場合、できてしまってから悪化するまでの原因が大きく4つあります。
1.皮脂腺の過活動
ニキビの材料といえば「過剰な皮脂」。本来皮脂は肌を外的刺激から守るバリアの役割を持っているので、なくてはならないものです。とは言え、皮脂が多過ぎる場合はニキビに繋がりやすくなります。常在菌であるバクテリア(アクネ菌)は皮脂を栄養源に成長、増殖します。
過剰な皮脂量をコントロールすることは、大人ニキビを改善する第一歩になります。
2.皮膚細胞の増殖
ニキビを起こしやすい肌は、皮膚細胞が増殖している状態です。皮膚表面の角質が、通常の5倍もの厚さになってしまう方もいます。ターンオーバーによって剥がれ落ちるはずの古い角質が、「層板顆粒」の不足により皮膚表面に停滞してしまうためです。
この状態になると、自分の力でスムーズに皮膚の入れ替えをすることは難しい為、増殖した角質細胞に対してのケアが必要になります。
3.バクテリア
ニキビの原因となるバクテリアは、通称"アクネ菌"と呼ばれています。このバクテリアの特徴は、①皮脂を餌にすること、②空気が入らず脂肪分が多い場所に住み着くこと。2.でお話したように、細胞増殖によって角質が厚くなることで毛穴の出口が塞がれます。すると、毛穴の中に排出できない皮脂が詰まります。毛穴の出口が塞がっている為、酸素が入りにくくなり、バクテリアにとっては快適で住みやすい場所になってしまいます。
殺菌や抗菌作用によって、バクテリアの繁殖を防ぐことも大切です。
4.炎症
バクテリアの活性化はニキビの炎症を引き起こします。バクテリアが出すリパーゼ酵素により皮脂が分解される際に、遊離脂肪酸が生まれます。この遊離脂肪酸が酸化することで肌にとっての刺激物となり、炎症を引き起こします。
このような流れで大人ニキビは悪化していきます。一つ一つの経過を観察しながら、必要なケアを行うことで炎症を最小限に抑えながら、ニキビを繰り返さない肌作りをしていくことが大切です。
<具体的なケアの方法は?>
1.皮脂腺の過活動に対しては、適切な洗顔が大切です。自分の肌質に合っている洗顔料で適切な量の皮脂を残しながら洗うことが、普段のスキンケアをする上で大切な考え方になります。
日本には四季もあるので、一年通して皮脂量が変動することもあります。皮脂は多過ぎても少な過ぎてもNGです。日々自分の肌を見ながら洗顔料を変えてみてください。
2.皮膚細胞の増殖に対しては、角質ケア製品を使用して、古い角質を落としてあげることが必要です。ニキビができやすい皮脂量が元から多い肌の方は、毎日行える肌に優しいタイプの角質ケア用品を使うことで、常に安定した状態を保つことができます。こちらも洗顔料同様、肌を観察しながら適切に行うことが大切です。
3.バクテリア、4.炎症に対しては、普段のスキンケアに「抗菌作用」や「抗酸化作用」の入った製品を取り入れることが大切です。
肌は日々変化するものです。だからこそ、毎日行うスキンケアの時間にしっかりと肌を観察して、「今一番必要なもの」を選んで取り入れてあげることは、どの肌状態においても大切な考え方です。自分で判断が難しい場合はプロのカウンセリングを受けることもおすすめです。
ニキビが肌の上にあるだけで憂鬱になりがちですが、不安になり過ぎず、適切なケアをしてみなください。